2011年08月21日

いのちのつながり

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音楽劇“葉っぱのフレディ”多治見公演、昨日無事終了しました。
雨の中ご来場いただきましたお客様、お世話になった出演者・スタッフの皆様、
本当にありがとうございました。

再演するたびに作品が進化を遂げていくのが、作家としてとても感慨深いです。
また他の場所でも再演できるよう、尽力していきます。

私が今回の公演プログラムへ寄稿した文章を、ここに全文掲載します。

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いのちのつながり 〜 音楽劇“葉っぱのフレディ”多治見公演によせて
桃井聖司
 

 アメリカの学者レオ・バスカーリアによって書かれた童話「葉っぱのフレディ」は、葉っぱの一生を通して「いのち」の意味と役割を問いかける物語です。私がこの作品を原作として、脚本を書き作曲をしたのは2001年のこと。山梨県増穂町の音楽祭において、独唱+ピアノ伴奏の2人編成の音楽作品として初演しました。「フレディ」を題材とした他の舞台作品が人間の目線を通して描かれているのに対し、私が特にこだわったのは「葉っぱ自身が想い語らう」という原作が持つ世界観でした。
 その後、2003年に独唱部分を二重唱+朗読に拡充。これまでに、ピアノトリオ、サロンオーケストラ、シンセサイザー+電子オルガンなど、さまざまな形態の伴奏により、各地で再演を重ねてまいりました。また、一昨年には70人が演じるミュージカルとして脚本を書き直し、それまでのコンサートピースの形式から大きく転換しました。

 そして昨年、名古屋オペラ協会からお話をいただき、6人のオペラ歌手とピアノ伴奏による音楽劇として再構成。アルフレッド・ベン・クレアの三枚の葉っぱたちによる三重唱「そのとき」をはじめ新たなナンバーを書き足し、池山奈都子さんの緻密かつ大胆な演出により、「フレディ」に新たな息吹が吹き込まれました。
 昨年夏の「なごや子どものための巡回劇場」で四会場八公演、今年三月の「武豊春の音楽祭」で二公演を上演。その間にも「フレディ」は着々と「変化」をとげ、すくすくと育っていったのです。

 思えば武豊のフレディ公演のちょうど1週間後に東日本大震災が発生、多くの尊い「いのち」が失われました。津波で家や大切なものを流された人たち、原発事故で未だ家に帰れない人たちも、数多くいらっしゃいます。「いのち」のはかなさや「大自然」との共生について、私たちは深く考えさせられました。
 私自身、あの日は東京都心で地震に遭って、いわゆる「帰宅難民」となり、自宅まで5時間以上かけて歩いて帰りました。たくさんの人たちが、同じように列をなして歩いていました。困難な状況ではありましたが、普段の雑踏の中では決して感じることのない「連帯感」や「つながり」のようなものを感じることができたのもたしかです。
 葉っぱたちは、枝や幹を通じて大地とつながっています。それと同じように私たち人間も、見えない「太い枝」で「大自然」とつながっているのはないでしょうか? すべての「いのち」はつながっている ━━ そんなことを感じつつ「葉っぱのフレディ」をご覧いただけますと幸いです。私たちが苦難から再び立ち上がり、未来へ向かって歩いていくためには、そういった「つながり」こそが大切なのですから。

 最後にこの場をお借りして、「フレディ」にさらなる「変化」をもたらしていただいた今公演の出演者およびスタッフの方々、作品上演の貴重な機会をお与えいただいた笠原中央公民館の皆様、そして本日会場まで足をお運びいただきましたお客様お一人お一人に、深く深く感謝申し上げます。

 どうぞ最後までごゆっくりお楽しみください。

posted by momo at 08:40| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 葉っぱのフレディ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする