ヒロイン百合絵が、自らの誕生日パーティで
かつての恋人一馬を想いながら熱唱する重要なシーンです。
普段私は作曲家として、出来上がった映像に音楽を付けるのが任務です。
でも、今回は何と作曲家役として映像本編にも出演することになりました。
初めは百合絵が歌うバックでのピアノ演奏だけのつもりでしたが、
送られて来た脚本を読むと、私にセリフがあるではありませんか!
相談も無しにセリフを入れるとは監督もお人が悪い^^;
登場シーンは少しだけなんですけど気が抜けません。
ロケ現場に出向く前に、まず渋谷のスタジオで、
百合絵役の桜木梨奈さんと二人で歌の最終合わせをしました。
梨奈さんは女優であって歌手ではないので、ピアノ伴奏で歌うのは今回が初めて。
昨日からの度重なるリハで、ピアノ伴奏に慣れて来てはいるのですが、
どうも歌から「固さ」が取れない…
そこで、試しに歌詞を台詞として読んでもらいました。
すると、読みながら梨奈さん号泣T_T
どれだけ彼女が役に対して想いを込めているのかが分かります。
「その感情を素直に歌に乗せればいいんだよ」とアドバイスしたところ、
固さが取れていい感じに仕上がりました。
リハ終了後、平塚へ移動。
昨日の下見では暗くなってからのロケ現場到着だったので
明るいうちに外観をもう一度撮ってみました。

やはり素敵な洋館ですね。
出番の前にユカ役の吉田裕美さんとツーショット。

ユカにもベートーベンのソナタ「月光」第二楽章を弾くシーンがあって、
裕美さんに若干の演奏アドバイスをさせてもらいました。
私の出番は、まず百合絵との会話シーンから。
緊張はしなかったのですが、演技というものに慣れていないので、
加減がわからず無我夢中のうちに終わりました。
そして肝心要の歌唱シーンは、伴奏しながら鳥肌が立つほどの出来。
度重なるリハーサルの甲斐がありました。
多くは語りません。完成映像をどうぞ楽しみにしていてください。
今回の撮影には、シネマ愚連隊の映画を彩った歴代の主演女優さんたちも、
友情出演で駆けつけてくれました。

左から、真美子さん、三坂知絵子さん、正木佐和さんです。
これだけの美女に囲まれると、やはりいい気分ですね^^
作曲家というのは、映像関係のお仕事では基本的に「ポスプロ」に属する職種なので、
撮影現場に出向くことは滅多にないのでですが、今回撮影に参加できてとても刺激になりました。
関係者の皆様、どうもありがとうございました。